【6/12】出逢いの少ない通信制の高校で、自傷症の転校生に恋した俺の一年間

117: 2014/11/20(木)01:31:08 ID:jCMhcynqF

長井のお気に入りの場所は長井の家から少し歩いた山の上にあるすごく小さな神社だった。
お賽銭箱がある建物がひとつ建っているだけ。
たくさんの高い木に囲まれていて、神秘的でなぜか落ち着いた。

長井「この神社は誰も来ないから一人になりたいときはよく来るんだ」

長井はお賽銭箱の前の三段くらいしかない階段に座った。

長井「ここにこうやって一日中ずっと座ってたこともある」

俺「確かに。ここなら永遠にいられそう」

俺も長井の隣に腰を下ろした。

118: 2014/11/20(木)01:33:28 ID:jCMhcynqF

長井「寒いね」

俺「これ使えよ」

俺は首に巻いていたマフラーを長井に渡した。

長井「ありがと」

長井はマフラーを体全体に包むように巻いた。

長井「安藤君、お願いがある」

俺「言ってみなさい」

長井「学校がある日だけ、電話で私を起こしてくれない?」

俺「今日みたいに?」

長井「そう。私朝が苦手だから」

俺「いいよ」

好きな人にこれを頼まれて断る人がいるだろうか。
いや、いないだろう。

俺「そのかわり」

長井「ん?」

俺「ひざまくらして」

よく言った俺!
この時の俺を表彰してあげたい!

まあいつも通り心臓はバクバクでしたけどwww

119: 2014/11/20(木)01:35:05 ID:jCMhcynqF

長井「今?」

俺「うん、ダメ?」

長井「安藤君ならいいよ」

安藤君なら!?
それってつまり・・・って訊きたかったけど今はひざまくらに集中することにした。

俺「では、失礼します」

長井「どうぞ」

俺はロボットのような動きで長井の膝に頭を倒した。

120: 2014/11/20(木)01:35:51 ID:aBzurA7Pt

wwwww

121: 2014/11/20(木)01:37:34 ID:jCMhcynqF

俺「重い?」

長井「大丈夫」

急に長井が俺の手を握った。

長井「安藤君の手、きれいだね」

俺「そ、そう?」

長井「それにあったかい。さすが人間ストーブ」

俺「・・・俺、今すごく幸せ」

長井「へんなのww」

このまま時が止まればいいと思った。

そして自分に「J-POPかよ」とツッコんだ。

122: 2014/11/20(木)01:38:49 ID:jCMhcynqF

でも幸せな時間っていうのは本当にあっという間なんだよな。
時刻はとっくに8時を過ぎていていた。

長井「そろそろ帰らなきゃね」

俺「そうだなー」

俺はひざまくらされたまま答えた。

長井「また遊びに来てよ」

俺「うん」

当たり前だ。

123: 2014/11/20(木)01:39:50 ID:jCMhcynqF

11月13日~12月1日(115日目~133日目)

俺と長井、予定が合えばどちらかの家に行くという日々が続いた。

124: 2014/11/20(木)01:41:22 ID:jCMhcynqF

12月2日(134日目)

この日も夜遅くまで長井と電話で話していた。

俺「明日は俺んちで遊ぶから、また何か作ってやるよ」

長井「うん・・・。ねえ安藤君」

俺「ん?」

長井「明日渡したいものがある」

俺「おっ、なになに?」

長井「教えない。ただ安藤君にしか渡さないもの」

俺「俺だけ!?」

長井「そう」

もうね、超嬉しかったね。
長井の中で俺が特別になったような気がして。
何を渡すのかは謎だけど。

125: 2014/11/20(木)01:43:19 ID:jCMhcynqF

俺「ヒントちょうだい」

長井「私の大切なもの」

俺「うーん・・・」

俺は長井の家に代々伝わる家宝的なものだと思った。

俺「売ったら高い?」

長井「ほしい人なんていないよww」

ほしい人がいないものをなぜ俺にあげのか。

俺「さっぱりわからん」

長井「明日のお楽しみ」

俺「くっそー気になるな」

いくら考えてもわかりそうになかったから
俺の中で長井が子供のころ大切にしていたおもちゃということにした。

126: 2014/11/20(木)01:45:48 ID:jCMhcynqF

俺「早く明日になってほしいからもう寝るよ。眠さも限界だし」

長井「えーもう寝るの?」

俺は部屋の電気を消しベッドに横になった。

俺「おやすみ」

長井「ちょっと待って!私ポリアンナ弾けるようになったよ」

俺「マジで!?」

長井「今から弾くね」

俺「おう聴かせて」

127: 2014/11/20(木)01:46:24 ID:jCMhcynqF

少し間が空いたあと、ポリアンナのあのイントロが聞こえ始めた。

ところどころ詰まってはいるが立派な演奏だ。

長井が弾くからか、心に響く。

俺はどんどん夢の中へと入っていった。

128: 2014/11/20(木)01:48:20 ID:jCMhcynqF

12月3日(135日目)

気付くと朝だった。

今日も長井の夢を見た。
初めて長井の家に行ったあたりから毎日長井が夢に出てくる。
やっぱり常に考えていたからだろうな。

いつも通り長井にモーニングコールをして学校に行った。

129: 2014/11/20(木)01:50:06 ID:jCMhcynqF

放課後、長井と一緒に俺の家へ行った。

学校では昨夜俺が電話中に寝てしまったことを長井に笑われた。

約束通りこの日も長井に料理を作ってやったが何を作ったか覚えてない。
ただおいしいと言って食べてくれたことは覚えてる。

130: 2014/11/20(木)01:52:47 ID:jCMhcynqF

昼ご飯を食べ終わってゲームをしている時も、
俺は長井からのプレゼントがいつもらえるのかワクワクしていた。

とてもじゃないが「プレゼントはまだ?」なんて図々しくて言えない。
それとも長井は何かタイミングを見計らっているのか?

長井「そうだ!安藤君に渡すものがあったんだ」

忘れてただけかーい!

でも待ってました!

131: 2014/11/20(木)01:53:10 ID:aBzurA7Pt

待ってました

132: 2014/11/20(木)01:54:14 ID:jCMhcynqF

長井「はい」

長井はカバンから取り出したものを俺に見せた。

それは赤い液体が入った小さなビンだった。

俺「長井・・・これ、何?」

訊かなくても分かる。

これは血だ。

133: 2014/11/20(木)01:55:50 ID:aBzurA7Pt

うっ…

134: 2014/11/20(木)01:56:05 ID:jCMhcynqF

長井「私の血だよ」

俺「・・・」

俺は頭の中がパニックになって何も言えなかった。

長井「今回は首を切ったの」

長井は髪をかきあげ、俺に首を見せた。
そこには何本もの傷跡が残っていた。

今回?首?切る?

俺はますますパニックに陥った。

135: 2014/11/20(木)01:57:44 ID:jCMhcynqF

俺「今回ってことは、ほかにもどっか切ってるのか?」

長井「あとは左手首」

俺は長井の左手の袖をまくった。
やはりそこにも何本もの傷跡があった。

長井「だから私は夏でも長袖なの」

そういえばそうだ。
出会ってから一度も長井が半袖の服を着ているところを見たことがない。

俺「・・・いつから?」

長井「中学から」

俺「そんなに前から・・・」

136: 2014/11/20(木)02:00:05 ID:jCMhcynqF

長井「受け取ってくれる?」

俺「・・・うん」

長井「ありがと」

長井を安心させるために俺はビンを受け取った。
そしてそれを机の引き出しの中に入れた。

俺「なあ長井、自分を切るなんてやめろよ」

長井「無理だよ・・・切らないと落ち着かない」

俺「・・・そっか」

長井「私がリスカをしていることを知った人は、みんな私から離れていくの」

長井が悲しそうな声で言った。

俺「大丈夫、俺はずっとお前のそばにいるよ」

あきらめない。絶対にやめさせてやる。
俺にしかできないんだ。

本気でそう思った。

137: 2014/11/20(木)02:03:43 ID:jCMhcynqF

12月4日~12月20日(136日目~152日目)

俺が血を受け取ってから、長井の行動は少しずつエスカレートしていった。

「吐いた」や「死にたい」と毎晩言ってきたり、経血の画像をメールで送ってきたりした。

もちろんリスカも続けていて、そのたびに俺はやめるよう説得した。

ただ俺と遊ぶ時は切らなかった。
長井なりに遠慮したんだろうな。

こういう日々が続いて、俺はますます長井を助けたくなった。

138: 2014/11/20(木)02:04:23 ID:jCMhcynqF

うわっもう2時じゃん

朝はやいからもう寝るよ

昼間とか時間があるときにまた淡々と張っていきまっす。

139: 2014/11/20(木)02:05:45 ID:aBzurA7Pt

>>1
おつ



転校生に恋をした一年間
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1416405803/
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